スマートグリッドを構成する重要な要素として知られているのがスマートメーターとHEMSです。
前者は通信機能を持つデジタル化された次世代型電力量計のことで、後者はエネルギー最適化の役割を果たすシステムのことですので、よく似ているようにも思えます。
イラストで比較
文字で解説するよりもイラストをご覧いただいた方が分かりやすいかと思いましたので、いきなり大きなイラストを2つ掲載しました。
上のイラストはスマートメーターの仕組みを、下のイラストはHEMSの仕組みを表しています。
これだけでも両者の違いはお分かりいただけるかと思いますが、もう少し踏み込んでみたいと思います。
外部と繋がるスマートメーター
スマートメーターにはいくつかの役割がありますが、その中でも最も重要なものが「電力使用量を外部に伝える」という機能です。
外部とは主に電力会社を示しますが、電力会社を通じて様々なサービス提供を行っている第三者企業へも伝えることができます。
詳しくは「スマートメーターのAルートBルートCルート」をご覧ください。
そして、スマートメーターを導入することによるメリットは私たち一般消費者よりも電力会社の方が大きいです。
もちろん電力供給の安定化という意味では消費者のメリットも小さくはありませんが、電力会社側には人件費削減や電力使用量を正確に計測できるなどといった経済的なメリットがあります。
ちなみに、電力使用量を正確に計測できることがなぜメリットなのかと言うと、従来型の電力量計では実際の電力使用量よりも少ない値が出る傾向にあり、電気料金の請求額も同様に若干少なめであったからです。
そのため、計測が正確になることによって、電気料金の請求額も若干高くなるとされています。
内部を繋ぐHEMS
HEMSの役割はなんといっても「エネルギーの見える化」と「機器の制御」です。
詳しい解説は「HEMSの特徴とメリットデメリット」のページをご覧いただければと思いますが、HEMSは住宅内の機器や設備を繋ぐという大きな特徴を持っています。
そして、スマートメーターとは逆にHEMSは消費者へのメリットが大きいです。
エネルギーの見える化によって省エネに取り組めるほか、外部からスマートフォンなどで住宅内の家電を操作することができますので利便性も向上します。
どちらも必要
ここまでお読み頂くと「スマートメーターは電力会社に得」「HEMSは消費者に得」と感じられるかもしれませんが、スマートメーターを導入することによるメリットは消費者にもありますし、同様にHEMSを導入することによるメリットは電力会社にもあります。
つまり、両者ともに得をすることができるということです。
スマートグリッドにスマートメーターが欠かせないのと同じように、スマートハウスにHEMSは欠かせません。スマートメーターとHEMSを連携することによって省エネアドバイスなどといった様々なサービスを受けることができるようになります。
このように性質は異なりますが、どちらも非常に重要なシステムとなっているのです。