原子力発電の仕組みと種類

最初に原子力発電に関する基本的な事項についてご紹介したいと思います。原子力発電はどのようにして電力を生み出しているのか、その仕組みを簡単に解説しています。また、原子力発電に使用されている原子炉には複数の種類のものがあり、それぞれ異なる特徴を持っていますので、そちらについてもご覧頂けます。

仕組み

核分裂の際に発生するエネルギーを使って電気を生み出すのが原子力発電です。分かりやすい例を挙げると「火力発電のボイラーを原子炉にしたもの」です。

火力発電では火の力で水を沸騰させ水蒸気を作り、その水蒸気でタービンを回して発電しますが、原子力では核分裂の際に発生する熱で水を沸騰させ、後は火力発電と同様に水蒸気でタービンを回します。(参考:火力発電の仕組みと種類

火力発電との違い

仕組みは火力発電ととても似ているということを先にご紹介致しましたが、それでは原子力発電と火力発電はどこが違うのでしょうか。以下にそれぞれの発電までの仕組みと手順をまとめてみました。

火力発電

  1. ボイラーで燃料(天然ガス・石炭・石油など)を燃やす
  2. 燃やした熱を利用して水を沸騰させる
  3. 沸騰した水から発生する水蒸気でタービンを回す
  4. タービンは発電機に繋がれていて、電力を生み出す

原子力発電

  1. 原子炉で燃料(ウラン)の核分裂を起こす
  2. 核分裂で発生した熱を利用して水を沸騰させる
  3. 沸騰した水から発生する水蒸気でタービンを回す
  4. タービンは発電機に繋がれていて、電力を生み出す

ご覧頂ける通り、おおまかな仕組みは同様ですが、異なるのは1番と2番です。火力発電ではボイラーで化石燃料を燃やして熱を得ますが、原子力発電では原子炉でウランの核分裂を起こして熱を得ます。

原子炉の種類

核分裂を発生させる原子炉にはいくつかの種類があります。日本で主に使われているのは最初に挙げる軽水炉です。その他の原子炉と併せてご紹介します。

軽水炉

核分裂後に放出される中性子の速度を下げるための減速材に軽水(普通の水)を使う原子炉のことです。「沸騰水型軽水炉(BWR)」と「加圧水型軽水炉(PWR)」と更に細かく分類することができますが、日本では両方の種類が設けられています。

軽水炉は核兵器の製造に適さないことや、プラントの建設費が安価であることなどから、原子力発電所の主流となっています。

重水炉

減速材に重水(普通の水より比重の大きい水)を使う原子炉のことです。濃縮していない天然ウラン(濃縮ウランより安い)が利用できるというメリットがあり、天然ウラン資源が豊富なカナダなどで利用されています。ちなみに軽水炉とは逆に核兵器の製造に適しているという懸念もあります。

黒鉛炉

減速材に黒鉛(炭素)を使う原子炉のことです。黒鉛減速原子炉と呼ばれることもあります。重水炉と同様には濃縮していない天然ウランを燃料として使用できるという特徴があります。日本で最初に導入された原子力発電所である東海原発(運転終了)がこちらの黒鉛炉でした。

高速炉

高速中性子による核分裂反応の際に生じる熱を利用するタイプの原子炉です。新世代の原子炉と言われていて、現在も研究が続けられています。日本では福井県にある「もんじゅ」がこちらに該当します。

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