原子力発電に賛成か反対かというアンケートを独自にとらせて頂いたところ、賛成派・反対派ともに非常に多くのコメントを頂きました。

それぞれ思うことは異なると思いますが、頂いたコメントを賛成・反対でまとめさせて頂きました。本当はもっと多かったのですが、それぞれ10件ずつピックアップしてご紹介したいと思います。

賛成派の意見(10件)

原子力発電について、肯定的な意見をまとめてみました。

アンケートという形で原子力発電についての意見を広く募集したのですが、賛成意見については「安全性を高めるなら」「新エネルギーの目処が付くまでなら」「景気が上向きになるまでなら」などといったように、何らかの条件付きで認めるというケースが多かったです。

原子力に頼らざるを得ない

私は、原子力発電には条件つきで賛成します。東日本大震災での事故により原子力安全神話が崩れ、正直現状のまま続けていくのは難しいと思います。ただ、だからと言って全て反対とは思いません。

まず、現実的に今の日本で原子力発電で賄っている電力を、すべて他の発電で置き換えるのはかなり困難です。生活スタイルを大きく変え、今よりも月数千円高い電気料金を払わなければなりません。

節電にも限度があります。生活を維持するためには、原子力に頼らざるを得ないと思います。

ただし、事故の危険性がある原子力発電をこれまで通り使い続けるのは不安があります。より安全面に配慮した施設に変えていく、というのが賛成の条件です。

そこで、これも莫大なコストと時間がかかることではありますが、海上に発電所を作ることを提案します。

もちろん海の生態系に影響を与えてはなりませんし、送電の費用もかかりますが、安全対策に加えて、陸から離すことで少し心理的不安は軽くなるのではないでしょうか。

今すぐ止める必要は無い

福島第一原発があったような事故をひきおこす可能性がありますので、原子力発電所はこれ以上稼働すべきではないと思います。

しかし、今すぐに原子力発電をやめてしまったら、日本の経済は麻痺してしまいます。原子力の事故よりも、日本の経済が破たんしてしまうほうが、大きな被害を被ると思います。

どんな発電方法であれ、いかに人間の幸せに貢献するかを基準にして考えています。だからこそ、わたしは原子力は反対ですが、いますぐすべて撤廃すべきとは思いません。

だから、しかるべき安定した電力の目途がついたときに撤廃すべきでしょう。そのため、将来的な原子力発電所の撤廃は必要と考えています。

デメリットに注目しすぎ

原子力発電には中立(条件付き賛成)の立場です。日本に限定するなら賛成、ということになります。条件付きで賛成の理由は簡単です。これが今の日本の現代社会にとって一番現実的だからです。

どの発電所を見ても、メリットだけではなくてデメリットもあります。それなのに、他の発電所のデメリットの部分には目を瞑って、原子力発電のデメリット部分だけに言及しすぎているような印象を受けます。

日本の原子力発電というのは、その発電所がある県や都市に国から補助金が出ています。

当然、そこに住んでいる方々にとっては、その補助金で持って成り立っている生活が存在するのですから、その何十万人の人間の生活を無視して、原子力発電の停止を求めるのはあまりにも残酷ではないでしょうか。

核融合タイプの原発ができれば

原子力発電所に対する世論は今、急速に廃止の方向へと向かっていますが、廃止は不可能だと思います。

確かに福島原発事故を見ると、廃止の意見にも一理あると思います。しかしそれでも、廃止には私は反対です。原発は廃止せず、安全な原発に切り替えるべきだと思います。

結論を言うと、核分裂タイプの原発には私も積極的に賛成はできません。しかし研究を続け、早く核融合タイプの原発を開発すべきです。

核融合エネルギーであれば、たとえ原子炉に異常が起きても水素とヘリウムしか出てこないので、少なくとも福島原発のような放射能汚染はないはずです。

ですから、一日も早い核融合原発の開発に向けて、世界はもっともっと頑張るべきではないかと思います。

危険を制御するのも人間の仕事

全面的に賛成というわけではありませんが、有望な代替電力にはっきりした目処がつくまで賛成します。エネルギー安全保障政策について、日本が化石エネルギーに全面的に頼ることは危険としか言いようがありません。

化石燃料が資源としてほとんど出ない日本では、現在のところ外国頼みであることは否定できません。オイルショックのような出来事が起これば、日本経済が窮地に陥ってしまうことは火を見るより明らかでしょう。

今回の事故を受けて、原子力発電が危険な要素をはらんでいることが明らかになってしまいました。しかし、危険を制御するのも人間の知恵ではないでしょうか。

特に今の日本においては、原子炉の老朽化が問題を複雑にしています。最新鋭の原子炉の方が明らかに安全度は上がっています。しかし、今のこの状況を見ると、新規の原子力発電所を建設することは当分は不可能でしょう。

ただ、アメリカでシェールガス革命が起こったように、他のエネルギーの進歩が起こらないとも限りません。本当にクリーンで安全なエネルギーを手に入れるまでは、最低限で原子力発電所は稼働させるべきでしょう。

経済的に考えると必要

原発の事故があってから安全性を求めて各地で原発を停止させてしまいましたが、経済的なことを考えると原発はあってもいいのではないかと思います。

私は千葉で計画停電を経験したのですが、停電中は何もできませんでした。夜の時間帯に計画停電があったときはコンビニも真っ暗でした。

自家発電しているところはごくわずかだったので、街全体が真っ暗の状態でした。原発の影響で電気が使えなくなるとここまで不便になるのだなと思いました。

水道も電気の力でくみ上げてくるので、一時的に断水しているところもありました。マンションに住んでいる人はエレベーターが停止していたので、10階に住んでいる友人は非常階段を使って上り下りをしていました。

電気があるということは本当にありがたいですし、原発を止めた影響で日常生活があらゆるところで不便になるとは思っていなかったので、安全確認は万全を期して行って欲しい気持ちは強いですが、原子力発電はあってもいいと思います。

新たなエネルギーが確立されるまでは

私は、代替案がきっちりとできるまでのつなぎとしては賛成です。今、多くの反対意見を言っている人たちの中で、本当にきっちりと自分の考えを持っているのかが疑わしいのです。

日本人は、すぐに多数派の意見に同調したがる傾向があります。原子力発電に反対するのが流行という気がするときがあるのです。

実際に、節電が世の中で徹底されているかといえばそうではありません。冷房は骨の芯まで冷たくなるぐらいに入れているお店などもあります。パチンコ屋さんも、節電を謳っていても、ギラギラとネオンがついています。

唯一、節電をきっちりできていると思ったのはお役所ぐらいです。流石に、ここはできているなと、置いてあったうちわを借りて扇ぎながら思ったものです。

口先だけで、節電や原発反対と口にしても、それが完全でない限り、何も変わらないと思います。計画停電などももってのほかです。節電をきっちりとすれば、そんなことは必要ないのです。

原子力発電所は確かに危険ですが、今まで散々頼り切っていたのに、それを突然なくすなんて絶対に無理が生じます。安全策を再度徹底して、原発に変わるものを早急に考えるまでのつなぎとして使う分にはいいと思います。

そのためには、口先だけで節電するのではなく、震災直後の気持ちを思い出して、国民全員が節電を徹底することも必要条件だと思うのです。

原子力に変わるエネルギーが見当たらない

私は将来的に大地震が起こる可能性が高いと予測されている、東海地方に住んでいます。原子力発電所からそれほど遠くないので、もしも何か事故が起きて放射能漏れがあったら、確実に被爆します。

それでも、今の世の中を見渡すと、原子力に変わる発電所がきちんと作られない限り、原子力を利用するのは致し方ないことだと思うのです。

今や世界的大不況で、日本だって例外ではありません。私の夫の会社も、未だに大規模リストラを行い、ボーナスなし、残業なしのままです。このまま経済が低迷して、夫の会社が倒産でもすれば、確実に我が家は生活できません。

節電は大事なことだけれど、企業がそれを行うことで、少なくとも損失を被っていると思うのです。加えて、円高が改善されないことを思うと、ますます景気が悪化しそうで怖いです。

節電の夏も悪くはないけれど、我が家には90歳超えの高齢者がいるので、節電して熱中症にでもかかったら命の問題が起きてきます。これは最も防がなければならない事態ですので、エアコンはもう欠かせません。

火力発電では地球温暖化が進むのは目に見えているので、地熱や他の資源を活用して、原発以外の発電所がしっかり整備されるまでは、稼働をするのも仕方がないことだと思います。

更なる技術進歩が求められる

原子力発電をやめて火力発電を増やすことは、地球温暖化問題の世界的な潮流に全く逆行することになります。そして、まだ再生可能エネルギーでは必要となる電力を十分に賄うことはできません。

原子力発電をやめている間は火力発電に頼るほかなくなってしまうのです。

今、有力視されている天然ガスにおいても、石油や石炭に比べて二酸化炭素が出るのが少ないとは言いますが、かなり出てしまうのは事実としてあります。今こそ、原子力発電のさらなるイノベーションが必要なのであると考えます。

まだまだ頼らざるを得ない

もろ手を挙げての賛成ではありませんが、もはや致し方ないと言うのが正直な気持ちです。

原子力発電の危険性を認識しながらも、事故は起こり得ないと思っていました。日本の技術力を信じていたのです。電気の恩恵にあやかり過ぎた事を、痛切に反省しました。

節電というよりは、むしろ今までが無駄使いだったと誰もが知ったはずです。私たち一消費者は、この浪費を正すべく、生活の見直しを早急に計りました。

では、政府や電力会社はどうでしょうか?福島での事故後のような、緊迫感は感じられません。企業は、利潤を追求するだけでよいのでしょうか?日本の経済を失墜させない為にも、責任ある製品作りをして頂きたいのです。

原発に依存し過ぎない、代替エネルギーの開発こそ急務です。その時こそ、条件付きで反対と言える時です。ですので今はまだ推進派です。原発事故は、人類に与えられた教訓と思えるのです。

反対派の意見(10件)

原子力発電について、否定的な意見をまとめてみました。賛成意見については「条件付きで」といった回答が多かったのですが、反対意見は「断固反対」といった回答が多く見受けられました。

その理由のほぼ全てが「事故時のリスク」や「放射性廃棄物の処理」について、福島原発の事故がかなり影響しているように感じられます。

福島原発事故の前までは賛成派でした

私は原子力発電に対して反対の意見を持っています。東日本大震災の福島原発の問題がなければ賛成だったので残念です。

発電することに対して、原子力は最も効率的な発電方法だと思います。大量の電力を供給でき、経済的にも安いコストで抑える事ができ、環境にも優しい発電方法です。

ただ、デメリットとして放射線の問題があります。事故が起きたならば、人体に影響を与える大問題が起きてしまいます。私は原子力発電のガバナンスがしっかりとしていれば原子力発電は一番良い発電方法だと思いました。

しかし、震災によって問題が起きてしまい、地震の多い日本でこの発電方法は賛成できないと感じてしまいました。また、継続的なガバナンスができるかどうかも疑問を感じて反対としました。

狂気に満ちた世界

東日本大震災での福島の状態を見て、賛成と言えるような発電方法ではないと思います。

大量に電気を発電する事が出来ますが、その分の代償があまりにも大きすぎるのが原子力発電であり、その危険性はテレビのニュースなどでも連日取り上げられている訳ですから、賛成だと言える人の心情が理解出来ないものがあります。

実際エコ大国である北欧の最新の廃燃料の処理方法ですら、地中に埋めるという事しか出来ない訳で、取り出せるのが10万年後なんていう恐ろしいものを地球に保管しておくこと事態が間違っていると思います。

それらを正しい技術であると推進していく世界のあり方は、狂気に満ちている気がしてなりません。電気を供給する事も大切ですが、推進するのではなく他のやり方を考える時だと思います。

原発ゼロを目指して欲しい

今すぐにすべての原子力発電所を解体しろとは言いませんが、将来的にはゼロにするべきです。もちろん、原子力はメリットもありますが、デメリットが大きすぎるのです。

事後になった場合は、事故を処理する人達の生命に係わってしまう可能性があります。事故が発生した場合、必ず人の手によって対応をしなければいけないのです。その処理で多くの人の命が危険な事になるかもしれません。

使用済みの燃料も簡単に破棄できるものでもないので、将来の子供たちが住みやすい日本を作る為には、原子力発電所を無くすしか方法がないと思います。

原子力発電所を解体するお金はすごくかかりますが、少しずつでいいので解体を安全に行ってほしいです。日本人は少し電気を使い過ぎていたのかもしれません。

放射能汚染のリスク

原子力発電には反対です。東日本大震災で経験したとおり、一旦事故が起きてしまうと大変なことになります。

放射能が漏れ出すと、人体に多大な影響を与えます。がんを発症するリスクが高まります。事故による放射能漏れによって広範囲の土地が汚染され、住めなくなってしまいます。

また、農作物などに放射性物質が付着し、食べ物の安全がおびやかされます。放射能は目に見えないので、避けるのが非常に難しいです。それに、事故を起こさなくても、毒性のある放射性廃棄物が発生してしまい、処分に困ります。

原子力発電の良い面は、効率よく安定した発電が可能な点と、温室効果ガスや酸化物などを排出しない点です。しかし、やはり先の大震災で経験した事故のことを考えると、原子力発電には反対です。

やや反対派です

東日本大震災における原子炉の損壊で原子力反対論が叫ばれています。私個人としても、できれば脅威となる可能性のある原子力発電は廃止してほしいと心の内で思っています。しかし、現状を考えるとかなり厳しいことがわかっています。

原子力発電は一度発電を開始すると一定の電力を供給することができます。そのため、いつの時間でも電力を供給するベースのような役割をしています。

しかし震災後、多くの原子力発電施設が停止しました。そのため、かつて原子力で供給していた電力を火力発電でまかなうことにしました。

火力発電施設はほぼフル稼働し、発電効率の悪い旧型の火力発電施設まで稼働させるようになりました。原子力発電を用いないことで、発電効率の悪い電力システムとなってしまいました。

私個人としては反対。しかし、電力システムから見れば必要不可欠という理由より中立(条件付き反対)の立場をとりました。

原子力を別の形で使えれば

後手後手の意見ではありますが、安全が神話がくずれた今、再び同じ過ちを繰り返す必要は全くないと思います。第一次産業が主な地方での重要な財源であったかもしれませんが、あきらめなければいけない時にきているのではないでしょうか。

様々な発電方法の中で唯一、技術が永久に「安全」には追いつかない発電方法のように思われます。理由は地震です。自然の脅威がどれだけ人間の予測をこえたものであるのか、東日本大震災において多くの人が身をもって体験しました。

すべての発電方法にリスクはついてまわりますが、原子力発電のリスクは、人間の限界を超えたと感じます。原子力は夢のエネルギーであることは否定しません。けれども、発電という形で使うことには反対です。

事故時の被害が天文学的な数値になる

事故が起こった場合、環境や人々への打撃が尋常でないので反対です。事故が絶対になければ原子力発電が一番いいのかもしれません。コストも安く、永久的に発電できます。日本のようなたくさん電気を使う国でも賄えてしまいます。

でも、万が一でも億が一でも、東日本大震災の福島原発事故のような事態が起こる可能性があるなら、反対せざるを得ません。人々の健康や精神を蝕んでしまいますし、企業や個人への経済的ダメージも非常に大きいです。

本当は周りに誰も人のいない、遠くの無人島などに立地するのが良いのかもしれません。高台を作り、安全装置も何重にも用意して万全を期せばいいのかもしれません。

ただ、それでも、自然は怖いです。「未曾有の事態」では、もう納得できない状態を国民は体感しています。

今後、日本企業や国民全体が便利すぎる生活を少しでも見直して、原子力発電に頼らなくていい発電を考えなければいけないのだと思います。個人的には、もう原子力発電は信用することが出来ません。

今こそ自然エネルギーを!

どんなに安全や使いやすさを唱えても、結局、自然に戻ることのない、有害な「使用済み核燃料」というものが発生するわけですから、やはりそういった、害のあるものが副産物として出るものに頼るのはやめるべきだと思います。

おそらく原子力は、電力が安定的に供給できるし、経済面や利便性だけを追求した場合には、とても便利なものだと思います。

しかし、原発を作って、使用し始めたら、永遠に自然に戻らない使用済み核燃料というものが出てきてしまう。それは、おかしいと思うのです。

人間も地球に生きる一つの生命体なのだから、自然に戻らないものを生み出すのはおかしいと思います。なんとしても、原子力の使用は避け、代わりの自然エネルギーを活用すべきと思います。

とてもクリーンとは思えない

地球温暖化の危機が叫ばれ、化石燃料を燃やす事でその原因の二酸化炭素を増やすという事が知られて以来、原子力は二酸化炭素を排出しないクリーンな発電方法として注目されてきました。

しかし、発電時には二酸化炭素を排出しなくても、燃料の採掘過程や発電所の製作過程で、膨大な二酸化炭素が放出される事は既に周知の事実です。

その上、核分裂生成物というどうしようもなく危険な核のゴミまで生み出すのですから、とてもではありませんが「クリーン」などとは言えず、受け入れられる発電方法ではありません。

代償が大きすぎる

原子力発電は終わる方向で進めたほうがいいと思います。これまで私たちは、原子力発電のコストの低さと利便性に甘え、代替エネルギーに無関心過ぎたのです。

3月11日以降明るみにでた電力会社の一連の不祥事とずさんさを生んでしまったのも国民がまかせきりで結果やりたい放題にさせてしまったのです。

福島のみなさんにも迷惑をかけあらゆる産業にも大打撃を与えました。今度はその補償を血税で賄うしかありません。代償があまりに大きすぎます。

今でさえ路頭に迷っているのに、もし同じようなことが日本のどこかでまた起きればこの国はもう終わりといってもいいほどのダメージを受けかねません。

ただ、経済活動は続けなければなりません。現在、代替エネルギーの基盤となるものがない以上、原子力発電に頼るしかありません。日本には充分な技術と知恵があるのですから、政府がすみやかに政策を進めるべきです。

再生可能エネルギーと言われている風力発電や地熱発電、そして最近は一般家庭にも普及しつつある太陽光発電など、どれかに力を入れてみてはいかがかなと思います。

もしくはどうしても原子力発電を推進していくというのであれば、100%の安全性を確保してほしいです。99%でもダメです。

今回の津波のように、何が起こるか分からないのが天変地異ですから、大地震が起きようとも火山が噴火しようとも「絶対に大丈夫」といい切れるほどの安全性を求めたいです。