水力発電のメリットだけを見ると「昔からあるのに何でもっと活用されないんだろう?」と疑問に思ってしまいそうですが、実は複数のデメリット・問題点・危険性も存在しています。

こちらのページではそんな水力発電のデメリットを分かりやすく解説しています。

ダム建設時に自然破壊が起きる

水力発電を行う際には多くの場合ダムが新たに作られます。ダムに水を溜めて放水量を調節することによって、発電量をコントロールしているのです。

ダムは山奥など自然豊かな場所に建設されます。実際にダムを見たことなくても、ある程度の規模のダムを作ろうとすると、かなりの広さの森林を伐採する必要があることは簡単に想像できます。

つまり、水力発電の最初の問題点は自然破壊なのです。水力発電は発電するときには二酸化炭素も排出せず、そして燃料も必要としないので、とても環境に優しいのですが、残念ながら1番最初に自然に悪影響を与えざるを得ないのです。

また、自然破壊は野生の動植物の住み処を取り上げてしまうということにもつながりますので、自然生態系への影響もデメリットの一つに挙げることができます。

天候に発電量が左右される

雨が長期間降らなかったためにダムから水が干上がってしまった様子を、テレビや新聞のニュースで見たことがあるという方もいらっしゃるのではないかと思います。

珍しいケースではありますが、仮にダムに十分な量の水が溜まっていない場合は発電所に向けて放水することができないため、電力を生み出すこともできません。

日本では干上がるほど雨が降らないということは稀だったのですが、近年の異常気象で干上がる事例も出てきています。

ダムに土砂が溜まる

ダムは常に同じ量の水を蓄えられるわけではありません。新設されたばかりのダムなら問題ありませんが、長い年月をかけてダムの底には土砂が堆積されていき、ストックできる水の量もその分減少してしまいます。

それほど大きなデメリットというわけではありませんが、長期的な視点に立ってみたとき、徐々に発電量が減少すると考えることができます。

決壊事故の危険性

世界的に見ても極めて珍しい事故ではありますが、ダムには決壊のリスクがあります。台風による大雨が原因であったり、地震による設備破損が原因であったりすることがほとんどです。

非常に小さな可能性ではありますが、万が一決壊すると下流に住んでいる人や建っている施設・動植物などに甚大な被害を及ぼすことがあります。

今後の課題

既に多くの場所にダムを設置しているため、これから揚水式のような大規模な水力発電所の建設はあまり見込めません。

また、仮に適切な場所が見つかったとしても、ダムを建設するために森林破壊や自然破壊が伴ってしまうため、一般的には大規模発電所の普及はこれ以上進まないとされています。

一方で、同じ水力発電でも普及が期待されているのが、冒頭でもご紹介したマイクロ水力発電です。

都心部でも導入することが可能であるため、送電ロスも少なく、そして分散型電源としてのメリットも有しています。

ただし、その名前からもお分かりの通り、一機当たりの発電量は少ないです。

これらのメリットとデメリットを踏まえると、マイクロ水力発電の普及と同時に、発電効率と発電量の向上がこれからの課題と言えそうです。

水力発電に反対する意見

漁業にダメージが出る

日本近海での漁獲高は減少傾向にありますが、その理由には海洋汚染の他に水力発電所の建造も考えられます。なぜかと言いますと、魚のエサになるプランクトンを育てるための栄養分が河川から海に流れ込まなくなったからです。

ダムができたことにより、それらの栄養分がダム湖の底に沈んでヘドロになり、養分欠乏と水質悪化の原因となっております。

漁業関係者の間では昔から「魚は山から来る」と言われていましたが、水力発電所によって魚は山から来なくなり、彼らは沖合や遠洋での操業を強いられているのです。

生態系への影響が心配

私は、水力発電には反対の立場です。

確かに水力発電は、待機を汚さないクリーンなエネルギーとして評価することが出来るのですが、一方で、自然の川をせき止め、ダムを作って発電することが多いため、その流域の水の流れを変えてしまうことになります。

そうなると、今までそこにあった生態系を脅かしてしまうかもしれないということが懸念されるのではないのでしょうか。そのような細かいところにも気を配って考える必要があると思っています。

これ以上はダムを造るべきではない

山の高低差を利用した自然にやさしいような発電のように見えますが、ダムを開発しなければならない点で自然に良い発電とは言えないと思います。

ダム開発のために、広範囲の自然を破壊しなければならないような発電方法は環境も破壊するし、今まで維持していた景観も破壊してしまうため、これ以上増やすべきではないと思います。

もう作ってしまった所は元の自然環境に戻すのは不可能だし、作ったとき以上の費用もかかってしまうので、これから水力発電をすすめる場合は、もっと自然を破壊しない水力発電の方法を見つけて進めて欲しいと思います。

ダムはこれ以上作れない

私は水力発電には反対したいと考えています。日本には高低差のある山が多く、さらに川も多いので、水力発電には適しているところだと言われています。しかし、一見メリットと思われるこの話が、逆に今はデメリットになっていると思います。

日本は山と川が多い利点を利用して、水力発電のために多くのダムが作られてきました。しかし、日本はどちらかと言えば、大陸面積の小さい島国だと言えます。

そのため、水力発電のためのダムはこれ以上、作れない状況になっているはずです。これからは水力発電以外の発電方法を、考える時期に来ていると思っています。

また、最近はゲリラ豪雨という局所的な雨の降り方が多くなっています。局所的なゲリラ豪雨が多いと、ダムに水がたまりにくいのではないでしょうか?この先の時代の変化を考えると、水力発電には反対したいです。

生態系や生活を奪う

水力発電は、ダムを作ることによって周辺の生態系を変えてしまうため、反対です。

たとえば、ヤマメが泳いでいるような清流や、夏になると様々な昆虫が大合唱をする里山も水の底に沈めてしまいます。これにより生態系は失われます。生活は、人間のせいで一変してしまいます。

また、水力発電は、動植物の生活だけではなく、人間の生活も奪ってしまいます。ダムの建設により、故郷を追われ、違う土地で生活しなければならなくなった人もいます。

たとえば、高知県の早明浦ダムは、元々あった村を、ダムの底に沈めてできています。そのため、貯水率が下がると、ダムの底にある、役場や民家が顔をだします。

渇水の象徴と言われますが、補償があったとしても、もともとあった生活を奪った代償は大きいと思います。

水力発電は、再生可能エネルギーとして注目されていますが、生態系や生活を奪うものであるため反対です。

人命に関わることも

ダムを建設しての水力発電には反対です。ダムの建設自体が河川流域の環境破壊の一因となっていて、生態系への悪影響も大きいからです。

堰き止められた水は必ずどこかで淀みが発生することとなり、水質が悪化します。この水質が悪化した水がいずれは放流水を通じて環境に悪影響を与えることが懸念されます。

また、ダムには治水の観点からも問題があると考えています。世界的に異常気象が増えていますが、日本においても各地で集中豪雨が頻発しており、豪雨による直接的な水害のみならず、ダムからの緊急放水による被害も見られます。

経済的な損失のみならず、人命に関わることも少なくないため、ひとたび被害が発生すると社会的な損失は計り知れません。

堤防の拡張なども行われているものの、設計時の想定を超えた増水などに至ることが常であり、イタチごっこです。結局、自然のチカラにはかなわないと思います。

推進には反対

水力発電の新規の開発を進めることには反対です。環境とコストの観点から、エネルギー政策に占める水力発電の割合は現状維持に留めるべきです。

水力発電は大規模なダムによって行われています。ダムの開発には山間部を切り開いていく多大な労力とコストがかかります。それらは、公共事業の形で国の税金で行われます。

現在のひっ迫する国庫財政状況の中、多大な出費を伴うダム開発及び水力発電の新規開発は財政負担を増大させます。

また、開発によって日本の豊かな山間部の自然と景観が失われてしまいます。一度開発してしまった自然は、もう二度とその姿を取り戻すことはありません。

環境とコストの観点から、水力発電の推進には反対します。これまでの施設の活用に留めるべきです。

ダムは永久的に使えるものではない

水力発電を行うためにはダムが必要で、ダムの建設のためには広範囲の森を伐採し、ダムに変えなければいけません。

自然の森の中に人の手が大きく加えられることによる自然環境、生態系への影響もありますし、一度破壊してしまったものを100%元に戻すことはほぼ不可能です。

また、現在は水分量は豊かな場所でも、昨今の異常気象等を考えると、今後、降水量が極端に少なくなったりして安定した供給を行える保証もありません。

逆に大雨等によるダムの決壊などのリスクもありますので、二次災害、三次災害につながる危険もあります。

そして、ダムは永久的に使えるものではないので、使われなくなったダムはどうするのか、次のダム次のダムと、ダムを造り続けていくのかなどの課題もまだまだあります。

環境を破壊してしまう

水力発電の最大の弱点は、発電効率です。他の原子力発電や火力発電に比べて、発電にやたらと手間がかかるにもかかわらず、得られる電気量は少ないです。これでは国民のすべての電力をまかなうなど、到底無理な話であるといえます。

水力発電所を建設するためには、ダムを造らなければなりません。そのために山の木々が伐採され、環境を著しく損ねてしまいます。

水力発電は環境にやさしいという意見がありますが、ダムを建設するために環境を破壊してしまうので、決して環境にやさしいとは言えません。

環境にやさしい発電法と言えば、太陽光発電や風力発電があり、これらの発電方法が近年台頭してきているので、水力発電のメリットは今やないといっても過言ではありません。

他の発電方法に頼るしかない

水力発電は、自然エネルギーの代表です。安定して電力を供給できるので、昔から日本各地で造られています。ですが、現在では発電が可能な土地が残っていません。

新たにダムを造ろうとしても、日本国内には条件のいい場所がありません。使い尽くしているのです。小さなダムならできても、それでは効率が悪くなります。

そして、水没する土地が使えなくなる問題もあります。ダムの貯水池は他の用途には使えなくなります。これからはダムを造れそうにないです。現在あるダムを継続して使い続けるしかありません。

水力発電が伸びる余地がないので、新規に建設することは不可能です。古くからあるダムが壊れたら、そこを修理して使うことができても、新規立地はできません。新たに発電所を建設できないなら、他の発電方法に頼るしかありません。